■「日本製品=高品質」イメージ。「定評」「先端技術」「安心/安全」イメージも高く、日本製品への信頼は厚い。日本から連想するモノ・サービスのトップ3は「家電/AV製品」、「デジタル製品」、「自家用車」。
■アメリカ製品は、製品イメージ、連想するモノ・サービスともに日本製品と似ている。
■タイ製品は、全体的に中国製品とイメージが似ているが、ホーチミンシティ、ヤンゴン、インド2都市では「高品質」なイメージ。タイから連想するモノ・サービスは、1位「観光」、2位「食」、3位「ファッション製品」。
博報堂では、グローバル市場でのマーケティング戦略に活用するためのオリジナル生活者調査『Global HABIT(グローバル・ハビット)』を2000年からアジアを中心に世界の主要都市で中・上位収入層を対象に毎年実施しています。
最新(2015年実施)のGlobal HABIT調査のデータをもとに様々な角度から分析を行い、グローバル市場での可能性に繋がるヒントをご紹介していきます。
今回のレポートでは、アジア15都市生活者が各国の製品に対して抱いているイメージについて分析した結果をご紹介します。
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定、ASEAN経済共同体(AEC)などにより、企業のサプライチェーン(原材料調達・生産管理・物流・販売)は変化していくことが予想されます。今後競争が激しくなるアジア市場において、他社製品と差別化し優位性を確保するための参考に、当レポートをご活用ください。
(15都市) 香港・台北・ソウル・上海・北京・広州・シンガポール・バンコク・ジャカルタ・クアラルンプール・メトロマニラ・ホーチミンシティ・ヤンゴン・デリー・ムンバイ ※参考としてロシア(モスクワ)、アメリカ(ニューヨーク)とブラジル(サンパウロ)のデータもご紹介します。
■日本製品
日本製品に対するイメージは、アジア15都市平均で1位「高品質」(71.3%)、2位「定評」(52.9%)となっており、日本製品に対する信頼の高さがうかがえる。3位「カッコイイ/センスがいい」(47.8%)と4位「先端技術」(47.6%)の割合はほぼ同じで、「安心/安全」(44.3%)が続く。また、日本から連想するモノ・サービス・エンタテインメントは、「家電/AV製品」「デジタル製品」「自家用車」がトップ3で、「アニメ/漫画」「食」「観光」が続く。都市ごとに詳しく見ても多くの都市で耐久財がトップ3だが、ソウルでは「アニメ/漫画」が1位になっている。また、ホーチミンシティでは「医療」がトップ5に入る。
■アメリカ製品
アメリカ製品は、日本製品とイメージ項目の順位がほぼ同じで、アジア生活者が両国製品に対して似たようなイメージを持っている様子。ただし、アメリカ製品の「高品質」イメージは51.1%で日本製品よりも20ポイントほど低い。
都市別に見てみると、中国3都市とインド2都市では、「カッコイイ/センスがいい」イメージが「高品質」イメージを上回っている。また、アメリカからの連想は、「デジタル製品」「家電/AV製品」「自家用車」が上位である点は日本製品と同じで、「映画」がトップ3に入っている。
■韓国製品
韓国製品に対するイメージは、1位「カッコイイ/センスがいい」(46.0%)、2位「活気や勢いがある」(38.4%)、3位「高品質」(31.1%)。韓国からの連想は、「ファッション製品」「デジタル製品」「化粧品」がトップ3で、4位は「家電/AV製品」。
■中国製品
中国製品に対するイメージは、1位「低価格」(64.9%)、2位「価格に見合う価値がある」(25.2%)、3位「活気や勢いを感じる」(24.9%)。中国からの連想は、1位「食」、2位「観光」で、「デジタル製品」と「家電/AV製品」がトップ5に入っている。
■タイ製品
タイ製品に対するイメージは、1位「低価格」(42.6%)、2位「価格に見合う価値がある」(25.9%)、3位「活気や勢いを感じる」(23.0%)で中国製品とイメージが似ている。ただし、ホーチミンシティ、ヤンゴン、インド2都市では「高品質」「定評」が「低価格」を上回っており、他都市とは異なる傾向が見られる。タイからの連想は、1位「観光」、2位「食」で、「家電/AV製品」や「デジタル製品」は上位に入っていない。
【ご参考】インド製品
インド製品に対するメージは、インド2都市のみで聴取したところ、「高品質」は9割以上、その他全てのイメージ項目が7割を超えており自国製品に対する信頼の高さが見られる。