消費意欲指数は、4年5か月ぶりの前年比+3ポイント超え。
消費税増税を前に、駆け込み消費の意欲が高まる
株式会社博報堂(本社・東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。
9月の消費意欲指数は49.7点。前月比-0.0ポイント、前年比+3.3ポイントと、前年から大幅に上昇しました。
Point:増税前の駆け込みで、生活必需品や耐久財などへの意欲が高まる
9月は例年、長期休暇やイベントの多い8月に比べると消費意欲指数が低下する月です。一方今年は、前月からは横ばい、前年からは+3.3ポイントと高い指数となりました(前年比が+3ポイント以上となるのは、2015年5月から4年5か月ぶり)。
消費意欲指数の理由(OA)をみても、「消費税が上がる前に買いだめする」「高額なものは増税前に買いたい」などの駆け込み消費への意向が前月に比べて大幅に増えています(19年8月27件→19年9月167件)。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は前年比+4.2ポイントの増加。内訳をみると、「日用品」(前年比+57件)と「家電・AV」(前年比+45件)で前年よりも大幅に増加し、「飲料」「化粧品」「食品」「インテリア用品」でも前年から20件以上の増加となりました。
これまで増税に関する声は徐々に増えていましたが、いよいよ翌月に迫ったことで「値上がり前に生活必需品や耐久財を買いたい」という駈け込み消費への意欲が高まっているようです。
2014年4月の前回増税時と比べると、駆け込み消費は少なくなる可能性
では、前回の消費税増税(2014年4月:5%→8%)を翌月に控えた2014年3月との比較をみてみましょう。
<消費意欲指数> 2014年3月:53.8点→2019年9月:49.7点(前回比-4.1ポイント)
<「増税前に買いたい」の声(消費意欲指数の理由)> 2014年3月361件→19年9月167件(前回比-194件)
消費税増税を理由とする駆け込み消費は、前回増税時と比べると少ないものと思われます。
9月は8月までに多く使った反動でセーブする意識が働く月であることや、今回は食品・飲料に軽減税率が適用されることも影響しているのかもしれません。
■ 質問項目(質問文)
[消費意欲指数]
消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、
あなたの来月(9月)の消費意欲は何点くらいですか。(自由回答)
また、あなたがその点数をつけた理由をお答えください。(自由回答)
[特に買いたいモノ・利用したいサービス]
あなたが来月(9月)、特に買いたいモノ・利用したいサービスはありますか。(単一回答:ある/ない)
特に買いたいモノ・利用したいサービスとは何ですか。(複数回答)