株式会社博報堂(本社・東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。
10月の消費意欲指数は41.9点。前月比-7.8ポイント、前年比-4.6ポイントと、前年比・前月比ともに大幅な低下となりました。
消費税増税前の駆け込みで消費意欲が高まった9月から一転、いよいよ消費税増税が実施される10月は、2018年2月(40.6点)、2017年2月(41.5点)に次ぐ歴代ワースト3位の消費意欲指数となりました。
消費意欲指数の理由(OA)を見ると、「増税があるので消費意欲が高まらない、控えたい」という声が前月から大幅に増加(2019年9月 34件 → 2019年10月 530件)しており、「ポイント還元や軽減税率を利用したい」(2019年10月 23件)などの前向きな声を上回っています。加えて、例年秋に向かって盛り上がる「季節の変わり目の買い物をしたい」「旅行の予定がある」といった季節消費への意欲も、前年同月と比べて大きく減少しています(2018年10月 132件 → 2019年10月 59件)。
また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合も16.0%と低く(前回増税時の2014年4月:13.1%に次ぐワースト2位)、軽減税率の対象である「食品」「飲料」も含めてすべてのカテゴリーで前月比・前年比ともに大きくマイナスとなっており、増税の影響が色濃く出ています。
前回の消費税増税(2014年4月:5% → 8%)が実施された2014年4月と比較すると、次のようになります。
<消費意欲指数>
2014年4月:43.7点 (前月比-10.1ポイント、前年比-4.8ポイント) → 2019年10月:41.9点 (前月比-7.8ポイント、前年比-4.6ポイント)
<「増税があるので消費意欲が高まらない」の声>
2014年4月 547件 → 2019年10月 530件 ※全体の約3分の1
今回の増税では、前月の駆け込み消費が前回増税時ほど盛り上がらなかったこともあり、前月比の落ち込みは小さくなっています。一方、消費意欲指数は前回増税時より1.8ポイント低く、3人に1人が「増税があるので消費意欲が高まらない、控えたい」と回答。月が異なるため一概に比較はできませんが、今後の動向を見守りたいところです。
■ 質問項目(質問文)
[消費意欲指数]
消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、
あなたの来月(10月)の消費意欲は何点くらいですか。(自由回答)
また、あなたがその点数をつけた理由をお答えください。(自由回答)
[特に買いたいモノ・利用したいサービス]
あなたが来月(10月)、特に買いたいモノ・利用したいサービスはありますか。(単一回答:ある/ない)
特に買いたいモノ・利用したいサービスとは何ですか。(複数回答)