2012年11月27日
博報堂生活総合研究所は、今年生活者が関心を示したと思われるモノやサービス事例(ヒット商品)について、【今年のときめき&明日の必要】と題した調査を実施し、今年とこれからの生活者の消費心理や志向の変化についての分析を行いました。
昨今、3.11東日本大震災、それに伴うエネルギー不安、天候変動など、生活を基盤から揺るがす出来事が相次いでいます。社会変化や環境変化と結びついた、必需品・日用品の進化にも著しいものがあります。消費トレンドは、単なる「好き・流行・話題」といった表層的・個人的な嗜好だけでは捉えきれない時代になっています。
そこで、博報堂生活総合研究所では、【今年のときめき】・【明日の必要】という2つの独自指標を設計し、生活者の心の動きをよりリアルに分析しました。
(調査対象:15~69歳男女 計1,008名)
(今年のときめき=欲しくなったり体験したくなってワクワクしたこと。または、実際に購入や体験をして感動したこと。)
⇒みんなで同時体験できる「お祭り」シンボルと、不安な未来を明るくしそうな「技術」シンボルへの支持
「お祭り」シンボル
ロンドン五輪(1位)、宇宙ブーム(10位)など、日常を忘れるような「大きな感動共有」や、新・大型ショッピング施設(3位)、東京スカイツリー(6位)、企業系アンテナショップ(17位)、野外フードイベント(22位)など、みんなで楽しさを体験できるような「新・賑わいスポット」が支持されました。情報ツールが進化したことによって、ときめきを同時共有できる連帯感も、こうしたトレンドを後押ししています。
「技術」シンボル
進化系LED照明(2位)、創エネ・蓄エネ商品(4位)、新・ハイブリッドカー(5位)、クリーンディーゼル車(19位)といった「未来エネルギー技術」や、高速通信対応スマホ(8位)、Windows 8(11位)、無料通話アプリ(15位)といったデジタル環境を進歩させる「新・情報ツール」が支持されました。
生活者は、3.11東日本大震災で垣間見た日常の不安定さを心に留め、商品のイメージよりも機能性への期待を高めているようです。
(明日の必要=これからの生活の新しいスタンダード(新基準)になっていくと感じる未来の必需品や新しい兆し、期待を感じること。)
⇒先の見えない不安の中で、「小さな安心」を積み立てる生活者
政治や経済の再建が遅れる中、生活者は様々な不安を抱きながらも、できることから暮らしの安心を再構築しはじめています。【明日の必要】のキーワードは以下の3つにまとめられます。
防災
予測される震災、周期化する天候変動などを織り込んだ商品の必需化。普段使いの防災用品(14位)、猛暑対策商品(27位)などが支持されました。
未病
インフルエンザ、花粉症、ハウスダスト、アレルギーなど身体を取り巻く刺激から自分や家族を守る日用品。機能性メガネ(5位)、食物アレルギー対応商品(10位)、抗菌力が高まる洗剤(13位)、機能性ヨーグルト(15位)が支持されました。
エネルギー
エネルギー不安が恒常化する中、次の生活インフラとなり得る商品。進化系LED照明(1位)、創エネ・蓄エネ商品(2位)、新・ハイブリッドカー(3位)、クリーンディーゼル車(8位)が支持されました。
*添付のレポートでは「性年代別ランキング」の結果なども詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
2012-2013 ヒット商品分析レポート【今年のときめき&明日の必要】ランキング(PDF)