株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。※6月上旬に調査
7月の消費意欲指数は51.8点。前月比+3.9pt、前年比+3.2ptと、ともに大幅に上昇しています。
ボーナスシーズンである7月は、例年消費意欲指数が上昇する月ですが、50点を超えるのは5年ぶりで、7月としては14年以降で最高値となりました。消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、コロナ禍に関連する消費にネガティブな回答は、前月から大きく減少する一方(20年6月417件→20年7月290件)(以下、西暦略)、ポジティブな回答は増加(6月187件→7月216件)しており、両回答の差は縮んでいます。ネガティブな理由では、「コロナで外出·買物がしたくてもできない」(6月132件→7月109件)、「コロナが怖いので出かけたくない/意欲がわかない」(6月103件→7月67件)などが減少しています。一方、ポジティブな理由については、「自粛の反動で外出·買物がしたい/我慢していた消費をしたい」(6月107件→7月129件) が増加しています。また、「給付金が入る」(6月25件→7月38件)や、前年ほどの件数ではないものの「ボーナスが入った·入る」(6月11件→7月40件)が増えるなど、金銭的余裕·改善も消費意欲の上昇に影響を与えそうです。
「特に買いたいモノ·利用したいサービスがある」人の割合は、32.9%(前月比+1.6pt、前年比+1.9pt)となりました。内訳をみると、前年比、前月比ともに20件以上増加しているのは、「家電·AV」「PC·タブレット」でした。前年比のみでは「ファッション」「外食」「理美容」「書籍·エンタメ」、前月比のみでは「旅行」が20件以上の増加となっています。自粛緩和による外での消費だけでなく、コロナ禍の懸念が続くなか、生活環境や在宅勤務など自宅内の充実をはかる消費への意欲も高まっています。
コロナ禍に関連する消費にネガティブな回答が減少する一方、「感染不安による外出自粛」(6月39件→7月53件)、「節約·倹約したい/将来不安」(6月55件→7月64件)などの意見は増加しています。自粛緩和や給付金支給の期待から消費意欲が高まりつつも、コロナ禍の長期化や経済面の不安感は拭えない様子が垣間見え、今後も注視の必要がありそうです。