株式会社博報堂(東京都港区、代表取締役社長:水島正幸、以下博報堂)と法政大学経営学部・大学院経営学研究科の西川英彦研究室は、先進的な生活者(=生活者イノベーター *1)と企業の価値共創に関する研究・普及活動を行う産学研究会「USER INNOVATION LAB.」(ユーザー・イノベーション・ラボ)を共同で発足しました。
近年、ユーザーである生活者自身が革新的な製品を開発したり、既存製品を改良する「ユーザー・イノベーション」という現象が世界的に注目されています。オンラインサービスやSNSの普及により企業と生活者による共創活動が活発になってきている中、生活者イノベーターの革新的なアイデアをマーケティングやイノベーションの源泉として取り入れていくことには、大きな可能性があると考えられます。
博報堂が今年3月に実施した調査(*2)によると、ユーザー・イノベーションを活用した取り組みの経験があるBtoC企業の開発担当者は11.6%と、まだ国内での活用は一般的ではないものの、取り組み経験者の8割以上が「成果を感じた」と回答しています。
そこで今回、博報堂と法政大学西川研究室が共同で「USER INNOVATION LAB.」を立ち上げ、ユーザー・イノベーションの活用に関する最先端の研究活動と情報発信を通じて、企業と生活者イノベーターの価値共創を普及促進していきます。
具体的には、海外の学会や論文などの最先端情報の共有、生活者イノベーターとの対話などの実践的な活動、企業の成功事例やノウハウの蓄積・情報の発信などを行っていきます。
また研究会には、ユーザー・イノベーションの活用に関心を持つ企業にも参加していただき、学問的な知見と実践的な知見の学び合いを通じて、将来の事例創出のハブとなることを目指します。
博報堂はこれまでも、企業のブランディングやイノベーション支援を行う専門組織「博報堂ブランド・イノベーションデザイン」において、「博報堂ユーザー・イノベーション・プログラム」の独自開発などを通じて、ユーザー・イノベーションの普及と実践支援を進めてきました。
また、法政大学の西川英彦教授は、日本マーケティング学会「ユーザー・イノベーション研究会」のリーダーを務めるなど、日本での本テーマ研究の先駆者であり、同研究室では国内外のユーザー・イノベーション研究者や実践企業との豊富なネットワークを保有しています。
今後も、博報堂は「生活者発想」の理念のもと、企業やアカデミアなどの様々なパートナーと連携し、社会に新たな価値を生み出すイノベーション手法の創出・発展に貢献してまいります。
(*1)博報堂独自の呼称。 (*2)博報堂による自主調査。対象:国内BtoC企業の企画開発者515名
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(自主調査結果もご紹介しています)