株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)の新規事業開発組織「ミライの事業室」が発足した「Better Co-Beingプロジェクト」は、ウェルビーイング分野での研究や事業創造に活用する診断指標「生活者ウェルビーイング21因子」を開発しました。
Better Co-Beingプロジェクトとは、ミライの事業室が、應義塾大学医学部の宮田裕章教授とともに推進するプロジェクトで、生活者一人ひとりの多様な生き方を大切にしながら、社会全体のウェルビーイングを実現するための研究活動や実証実験に“チーム企業型”で取り組んでいます。
今回開発した「生活者ウェルビーイング21因子」は、生活者一人ひとりのウェルビーイングの傾向や状態を客観的に数値で可視化・分類できる、プロジェクト独自の指標です。コロナ禍で阻害されていた人々の関係性や自律性を取り戻し、生活者それぞれのウェルビーイングを実現する共同研究や事業開発を加速させるため、専門家との検討や調査分析を通じて策定しました。
【生活者ウェルビーイング21因子】
生活者にとってのウェルビーイングを形作っている21の基礎的な項目。多様な社会においては、生活者によって各因子を重視する度合いが異なり、“一人ひとりのウェルビーイング21因子”が存在します。
「ウェルネス」=心と身体の健康を維持・向上すること。適度な運動、自然との触れ合い、良質な睡眠など。
「ニューネス」=人や物・体験との新しい出会い・学び・気づき。おいしい食事、有意義な時間など。
「コミュニティ」=地域の人、仲間、家族と関係性を高め、絆を深めること。信用・信頼、感謝・賞賛など。
【生活者調査結果 因子別重視度(平均値)】
生活者が自分のウェルビーイングを高めるために、生活をする上で大切だと感じている因子を調査。全体平均でみると、「疲れをためないために、良質な睡眠が大切」(良質な睡眠)、「ありがとうと言われるとうれしい」(感謝・賞賛)が8割半ばと、ほとんどの生活者が重視しています。また、「自分が居心地良い場所を大切にしている」(心地よい空間)、「自分の行動において、もっとも最適な時間の使い方をしたい」(有意義な時間)、「家族の成長と、生活の安心を感じることを望んでいる」(家族の成長と安心)なども上位に上がりました。
◇調査概要◇
調査手法 :インターネット
調査対象者:15~69才男女 ※広告代理店業、調査業除く
対象地域 :全国
調査時期 :2021年9月17日(金)~2021年9月20日(日)
調査委託先:株式会社マクロミル
【「生活者ウェルビーイング21因子」活用イメージ】
「生活者ウェルビーイング21因子」を活用して行った生活者調査をもとに、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)の確率モデリング技術「PLASMA」によるAIクラスター分析を行った結果、5つのクラスターが抽出されました。
「スタイリッシュ・ウェルビーイング層」
自分自身をより磨くことでウェルビーイングが高まる層。若年未婚女性が多い。他の層に比べて「心地よい空間」「外見のきれいさ」因子が高い。
「脱ストレス・ウェルビーイング層」
自分の時間を作ることでウェルビーイングが高まる層。40代男性が多い。他の層に比べて「有意義な時間」「心身のケア」因子が高い。
「身近な非日常・ウェルビーイング層」
身近なことでウェルビーイングが高まる層。50代男女が多い傾向。他の層に比べて「おいしい食事」「自然との触れ合い」因子が高い。
「セレンディピティ・ウェルビーイング層」
日々のウェルビーイング度が一番高く、新しいことに挑戦することでウェルビーイングが高まる層。他の層に比べて「新しい発見」「生涯の学び」因子が高い。
「ポジティブ・ウェルビーイング層」
利他の意識が一番高く、他人からの感謝などでウェルビーイングが高まる層。他の層に比べて「感謝・賞賛」「家族の成長・安心」因子が高い。
今後「生活者ウェルビーイング21因子」は、「食とウェルビーイング」、「睡眠とウェルビーイング」、「人と人との関係とウェルビーイング」など、さまざまなウェルビーイングのデータと組み合わせながら、多様な研究や事業化に向けてアップデートしていく予定です。
Better Co-Beingプロジェクトでは、この「生活者ウェルビーイング21因子」をもとに、データ連携やサービス設計を行い、様々な企業との共同研究や事業共創に活用していくことで、生活者一人ひとりの多様な生き方を大切にしながら、社会全体のウェルビーイングを実現していきます。
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