株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。※5月6-9日に調査
6月の消費意欲指数は46.5点。前月比は-0.4ptの微減、前年比は+1.3ptの上昇となりました。
例年6月は、大型連休と夏休みの狭間で消費意欲指数が低下する月ですが、今年は前月から-0.4ptの微減にとどまりました。一方コロナ禍の影響で過去10年の最低値となった前年からは+1.3pt上昇し、コロナ禍前の水準に戻っています。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答は減少(5月389件→6月337件)、ネガティブな回答は増加(5月857件→6月889件)しました。具体的には、ポジティブな回答では、「季節的な出費や意欲(5月174件→6月70件)」が大幅に減少し、ネガティブな回答では「5月までに多く使ったのでセーブ(5月56件→6月117件)」が増加しています。これらは、新学期やGWを経て出費を抑えようとする例年6月らしい動きです。
また、コロナ禍に関連する回答は前月・前年と比べて減っています(21年6月281件/22年5月99件→22年6月58件)。特に消費に対するネガティブな回答は大幅に減少しており(21年6月236件/22年5月67件→22年6月30件)、2020年4月のコロナウィルス流行以降の最少件数となりました。消費意欲に対するコロナ禍の影響はかなり減少し、例年6月らしい消費意欲を取り戻しているようです。
また、5月に浮上した「物価高(5月116件→6月60件)」への懸念は、前月ほどではなくなっているようです。
「特に買いたいモノ・利用したいカテゴリーがある」人は27.7%で、前月比+0.2pt、前年比±0.0ptといずれも横ばいとなっています。
カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「飲料」「化粧品」「日用品」が20件以上増え、「旅行」が20件以上減っています。一方、前年比では「旅行」「レジャー」が20件以上増え、「ファッション」が20件以上減っています。
大型連休が終わり、前月と比べて消費意向の対象は必需品・日用品などの日常的なカテゴリーに移行していますが、前年よりも外出関連カテゴリーへの意向は高くなっています。
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