株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。※6月2-6日に調査
7月の消費意欲指数は48.5点。前月比は+2.0ptの上昇、前年比は-0.4ptの微減となりました。
例年7月はボーナスシーズンで消費意欲が大きく上昇する月ですが、今年は前月から+2.0ptの上昇にとどまり、前年比では-0.4ptの微減で、7月としては過去5年で最も低い数値となりました。
消費意欲指数の理由(OA)をみると、前月比では消費にポジティブな回答は増加し(6月337件→7月396件)、ネガティブな回答は減少しました(6月899件→7月819件)。具体的にポジティブな回答では、「(夏休みや夏服を買いたいなど)季節的な意欲向上(6月70件→7月94件)」「(ボーナスなどで)金銭的に余裕がある(6月42件→7月71件)」が増え、ネガティブな回答では「今後の出費予定のために我慢(6月166件→7月100件)」が減り、ボーナスや夏休みを控えた7月らしい結果となりました。
また、前年比では、消費にポジティブな回答はほぼ同数(21年7月380件→22年7月396件)、ネガティブな回答は減少(21年7月905件→22年7月819件)しました。具体的に消費にネガティブな回答では、「コロナで外出自粛(21年7月74件→22年7月7件)」など、コロナ禍に関する回答(21年7月157件→22年7月19件)や、「金銭的な理由で節約(21年7月220件→22年7月160件)」は大きく減りました。しかし、「値上がり/物価高」は前月比・前年比ともに大幅に増加しています(21年7月1件/22年6月60件→7月113件)。コロナ禍の消費意欲への影響は薄らぐも、物価上昇がボーナス期で高まるはずの消費意欲に水をさすことになりそうです。
「特に買いたいモノ・利用したいカテゴリーがある」人は27.7%で、前月比は±0.0ptの横ばい、前年比は-1.2ptの低下となっており、消費意欲指数同様、7月として過去5年の最低値となりました。
カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「旅行」が20件以上増加し、「食品」が20件以上減少しています。前年比では、「旅行」が20件以上増加するも、「ファッション」「食品」「日用品」「化粧品」「飲料」「書籍・エンタメ」「家電・AV」「車・バイク」など16カテゴリー中8カテゴリーが20件以上減少しています。
夏休みを前に「旅行」への意向は高まるも、物価上昇の影響からか日常生活関連の消費意向は高まりにくくなりそうです。
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