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ヒット習慣予報 vol.66 『セカンドタスク・ライフ』

2019.04.03
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの村山です。
今回が初めての寄稿となります。

この原稿が公開される頃には新元号が発表されて、その話題で持ちきりになっていることでしょう。そんな歴史的なタイミングに公開されるヒット習慣予報では、(専門ではないですが、ちょっと背伸びして)テクノロジーによる未来の習慣を予報してみたいと思います。

年度初めで、新元号など気にしていられないくらい仕事のタスクを抱えている方も多いのではないかと思います。
そんな中で、テーマが「セカンドタスク・ライフだって、、!?」もうタスクなんていらないわ!という声が聞こえてきそうですが、そもそもこの「セカンドタスク」という言葉は何のことを指すのでしょうか。

これは主に自動運転中に行う「運動以外の行為」を指す言葉です。レベル3以上の自動運転車が普及する社会において、「セカンドタスク」としてどんなサービスを提供できるのかに今、注目が集まっています。

自動運転の検索数推移

出典)Googleトレンド

僕はこの「セカンドタスク」という概念が、テクノロジーの進化を背景に自動車業界を超えて、生活そのものまで広がっていく兆しがあると感じています。
タスク、というと何か宿題を与えられるようで嫌な響きがありますが、もっとポジティブな意味で、近い将来には“同じ時刻に、第二の予定”をいれられる、生活が待っているのでは、と思っているのです。

では、同時刻に違う行為をする生活、「セカンドタスク・ライフ」の身近な事例をみてみましょう。
例えば、スマートスピーカー。音声でスピーカーに指示するだけで、掃除をしながらインターネット検索することができるし、幼い子供を両手で抱きながら好きな音楽を楽しむことができるようになりました。先日のCES2019ではついに音声認識技術が搭載された自転車が発表され話題になりました。ついに自転車にのりながら職場とリモート会議を行うなんて未来が目の前にきているのです。

ちょっと変わった方法で「セカンドタスク・ライフ」を実現する商品を紹介しましょう。
18年のCESで話題になった「持ち主を自動で追尾する自動運転スーツケース」です。北京のスタートアップ企業が発表した同商品は画像認識カメラを備えており、持ち主の顔や姿を認識することで手で引っ張らなくてもオーナーに追尾してくれるそう。この商品があれば、重い荷物を運びながら本を読むことだって、食べ物を食べることだってできますよね。

近年、トイレのIoTが進んでいるようで、空き状況や滞在時間が分かるように進化しています。ここから、さらに進んで、例えば便器までIoT化が進むとどうなるのか。例えば排泄物からその日の健康状態を読み取ってくれるデバイスになったとしたら。毎日のトイレの時間が健康診断の時間にもなるのです。(僕は人間ドックの検便がとても苦手なので早く実現して欲しいです、、)
テクノロジーが人の無駄な行為を簡略化し、シンプルな行為に付加価値をつけていく。

そんな未来においては、シングルタスクで1日の予定を立てるのではなく、仕事しながらエクササイズする、車を運転しながらゲームする、料理しながら旅行の予定をたてる、満員電車の中で仕事をする、、、そんな生活が当たり前になるかもしれません。

成熟社会に突入し、生活そのもののあり方の変革が求められている今だからこそ、いつもの生活のシングルタスクが、どのようなセカンドタスクの可能性をはらんでいるのか考えながら過ごすとアイディアの種が見つかるかもしれません。

これは少し、未来の話かもしれませんが「セカンドタスク・ライフ」のビジネスチャンスを考えてみようと思います。

◎「セカンドタスク・ライフ」のビジネスチャンス例
■セカンドタスクまで管理するスケジュールアプリをリリース
■自走運転車内のカスタム家具を発売
■働きながら運動するワーキングジムをオープン
など。

ちょっと情報収集をサボると、加速度的に進化するテクノロジーに置いてきぼりにされる日々ですが、テクノロジーそのものではなく、テクノロジーが実現した時の生活や習慣を想像してみると新たな発見があるかもしれません。

村山駿(むらやま・しゅん)
PR戦略局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

営業職を経て2015年にPR戦略局に異動。車からファッションに至るまで様々なクライアントの情報戦略に携わる。毎日きまった街のきまった飲み屋に入り浸っているので、知らない街の知らない店に飲みに行く活動を実施中。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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