こんにちは。ヒット習慣メーカーズの馬場です。
元号が令和に変わり、早3週間が経ちました。「平成最後の」に関するイベントも目白押しでしたが、「令和最初の」イベントも盛りだくさんですね。本稿を書いているのは、令和最初の母の日を迎えた直後ですが、こちらも例年以上の盛り上がりを見せていたような気がしました。
さて、今回のテーマは、母の日の定番でもある花に関する、「プチフラギフト」という習慣を取り上げたいと思います。「プチフラギフト」とは、ちょっとした感謝の気持ちを示すなどの目的で、身の回りの人に花を贈る習慣です。安くてかわいい化粧品や雑貨を指す「プチプラ」をもじって、「プチフラ」と呼んでいます。
ギフトに花を贈るということ自体は定番ですが、母の日や誕生日といった特別な日でなくても、日常的に花を贈るという点で、新しい習慣になっていくと考えています。
具体的にプチフラギフトをするタイミングとしては、職場の人や友人に謝罪や感謝の気持ちを伝えるときなど、言葉に加えて何か一品を贈りたいシーンになってきます。実は僕自身、少し前に頼みごとを聞いてもらった友人にソープフラワーという石鹸でできた花を贈る機会があったのですが、見て楽しく実用的でもあるということで、想像以上に喜んでもらえて、今後もギフトとして活用しようと思いました。
なぜ「プチフラギフト」が新習慣になるのか。前提として、日常的なギフトを贈りあう行動の増加が背景にあると考えています。SNSなどで友人や家族に、数百円から数千円程度のギフトを店頭で引き換えられるチケットの形式で贈ることのできるソーシャルギフトなど、気軽にギフトを贈りあえるサービスなどを利用されている方も多いのではないでしょうか。
では、カジュアルギフト市場が拡大する中で、なぜとりわけ花を贈るようになるのか、2つの理由が考えられます。
1つ目は、フラワーギフト自体のラインナップの充実です。先ほどご紹介したソープフラワーは、500~1,000円程度と手ごろな値段で、見た目も生花に近く、香りもつけられるという点で、人気を集めてます。Google Trendで見ても、直近の母の日の盛り上がり以前から、今年に入って検索数が増えていることが分かります。ほかにも、食べられる花をあしらったスイーツブーケ、入浴剤になる花など、買いやすい価格帯の様々なフラワーギフトが登場しています。このように特別感も強く、手入れも必要になる生花以外に、様々な選択肢が揃ってきたことで、カジュアルギフトとして選びやすくなってきていると思います。
<「ソープフラワー」の検索数>
2つ目は、花の持つ“ハレ感”へのニーズです。冒頭にも触れましたが、昨年から、「平成最後の」や「令和最初の」にかけて、日常のちょっとした出来事もイベント化する傾向があると思います。花の持つフォーマルなギフトの定番だからこその“ハレ感”はこうした日常のイベント化ニーズにマッチするのではないでしょうか。潮流にも乗って「プチフラギフト」として贈られるなかで、徐々に習慣化していくのではないかと考えています。
最後に、「プチフラギフト」のビジネスチャンスについて考えてみました。
本稿を書きながら、気軽に花を贈りあうようになったら、日々の生活に彩りが加わって、幸福度が向上しそうだなどと想像が膨らみました。皆さんも、身近な人への感謝を「プチフラギフト」で示してみてはいかがでしょうか。
2016年 博報堂に入社。
入社以来、データマーケティングに従事。業務で培った知見を活かし、新たな習慣を生み出すべくヒット習慣メーカーズに参画。
人へのお礼をつい忘れてしまうことが多いのを直したい。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。