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ヒット習慣予報 vol.74 『ひんやりモバイル』

2019.06.04
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。

先週は猛暑でしたが、みなさん、体調いかがでしょうか。私は、暑さから逃げるように、予定していた屋外での用事をキャンセルし、今年に入って初めてクーラーをつけ、家に引きこもってしまいました。今から、今年の夏が思いやられます。

さて、今回のテーマは、そんな猛暑を乗り切るために必須アイテムとなりそうな「ひんやりモバイル」です。
最近、東京都がスポーツイベントでの暑さ対策として、帽子のように着用できる「かぶる傘」の試作品を公開しました。その実態について、様々な意見が飛び交っていますが、2019年のテストイベントなどでも活用される予定だそうなので、これから様々なところで目にするようになるかもしれませんね。個人的には、子供向けの熱中症・暑さ対策だとより流行するのではないか、というような気がしました。また、かぶるタイプでなくても、男性の間で日傘も徐々に流行の兆しが見えており、今年の夏は、日傘をさす男性を見かける機会も増えるかもしれません。

そこで、暑さ対策について、株式会社エム・データ(http://mdata.tv/)による『TVメタデータ』を用いて、最近TV番組で話題になっている“暑さ対策”を調べたところ、こまめな水分・塩分補給、保冷剤や氷などで身体を冷やすことに加えて、前述の“かぶる”以外に、“持ち運べる”ものがよく紹介されていました。実際に、ソーシャルメディア分析Topic Finderで見てみても、“持ち運べる”ものへも注目されている様子がわかります。

出典)TopicFinderより分析
(2018/6~2019/5の1年間・「暑さ対策」で分析)

“持ち運べる”暑さ対策の一つとして、昨年の夏頃から小型扇風機を持って歩く人を街なかで見かけるようになりましたね。大人シンプルなデザインで、持ち運びしやすく、乾電池で動くので、とても便利ですね。また、スイッチで風量調節もすることができるものも多く、今年もすでに販売を開始しているところもあり、人気商品は売り切れているものもあるようです。また、その中で、最近では、首からかけるヘッドフォンタイプの扇風機も出たり、USBでの充電式のものもあったりしており、今年の夏の必須アイテムの一つ、となるのではないでしょうか。

また、他にも“持ち運べる”とは少し変わるのですが、“着る”タイプの暑さ対策も出てきていますね。インナーに着るもので涼しさを感じるものもありますが、それ以外にも、空調ファンのついた服も出てきていますね。こちらは、これまでは、工事現場などの過酷な現場でも、利用されていたりするものですが、機能的な服が流行している影響もあり、日常生活の中でも取り入れられるようになってきています。ベストタイプの空調ファンのついた服を着て、庭の整備をしたり、犬の散歩をしたりするなど、活用する機会もこれから増えていきそうです。

そして、最後に、“つける”タイプの暑さ対策です。これまで、コールドスプレーなどで身体を冷やす、などをされている方もいらっしゃったかと思いますが、これからは、それが変わるかもしれません。 “つける”といっても、身体に直接ではなく、シャツに吹き付け、それにより、汗をかくたびに、冷涼感を感じられるようです。これからの新しい暑さ対策の一つとして、利用される方も増えてくるかもしれません。

このように、「ひんやりモバイル」が増えてきている理由としては、「暑さ対策商品の見た目がおしゃれで使いやすいものになってきている」という企業の商品開発力と「自分の身は自分で守らないといけない」という自己防衛意識の高まりの掛け合わせにある気がします。暑い季節になってくると、気分も高まり、ついはしゃぎすぎてしまうこともあるので、そんな自分への予防、対策の一つとして、これからますます定着していくかもしれませんね。

このように「ひんやりモバイル」は、今後ますます広がっていくことが予想され、様々なビジネスチャンスがあると考えます。

◎「ひんやりモバイル」によるビジネスチャンスの例
■革靴も涼しく感じる成分などを搭載して、クール革靴が商品化される
■帽子も風通しだけでなく、より涼しく感じるものができる
■塗るだけで涼しくなれるハンドクリームが開発される
■犬などのペット用の涼しい服を販売する
など。

こんな記事を書いていたら、気づいたら、また暑い時間帯になってきました。今日の帰り道でも、家電量販店に寄ってみて、私なりの今年の暑さ対策を探してみようかと思います。みなさんも、今年の夏を安全に楽しむために、いかがでしょうか。

楠田勇輝(くすだ・ゆうき)
統合プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、クライアントや世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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