こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。
みなさま、お盆はいかがお過ごしでしたでしょうか。私の家の近所では、相変わらず、タピオカブーム真っ只中で、連日行列が絶えず、さらには、タピオカかけ放題なんていう新しいお店もオープンし、タピオカ祭り状態でした。そんな中、「晩御飯は、タピオカミルクティー」なんていう人もいると聞いて、とても驚いています。
さて、今回のテーマは、スイーツがご飯になる、という「メシ化スイーツ」です。
前述のように、タピオカミルクティーが、晩ごはん代わりになっていたり、それ以外にも、スイーツとして扱われていたものが、食事にも活用されるようになったりしていることについて、ご紹介していきます。
まず、話題のタピオカですが、タピオカ専門店にだけでなく、回転寿司チェーン店やラーメン店などでも、オリジナルのタピオカミルクティーが発売され、多くのメディアでも取り上げられています。また、ミルクティーだけでなく、タピオカ入りのビールなども展開されています。さらに最近では、ドリンクにとどまらず、ラーメンや、寿司などにもタピオカがトッピングされているなど、タピオカがどんどんメシ化され、話題の尽きることがありません。実際に、タピオカについて、GoogleTrendで検索推移を調べてみると、未だに人気を集めていることがよくわかります。
また、最近では、タピオカの次は何だ?!という話題も取り上げられるようになってきています。例えば、韓国発のポッピングボバ、巣鴨で話題のわらび餅ドリンク、そして、バナナジュース専門店、等様々です。今のタピオカ人気がどこまで続くか、ですが、これからも、目にする機会はますます増えていくでしょう。
続いて、かき氷。こちらも直近の猛暑や台湾かき氷ブームの再燃により、世間の注目を集めています。テレビ番組でも、かき氷が主食、なんて人が取り上げられていたりします。実際にその中では、これまでのフルーツなどを使った甘いかき氷を紹介するだけでなく、酒粕を活用したかき氷や、コッペパン風のかき氷、フォアグラ、餃子、カレーなどのかき氷なども紹介されており、かき氷は単なるスイーツではなく、ますますメシ化されてきています。
そして、最後に、レシピサイトをいろいろ見てみると、そこにも、メシ化スイーツがいろいろ紹介されていました。凍らせたトマトをすりおろして食べ、熱中症対策にもなる塩トマトかき氷。暑い季節には敬遠しがちになるかぼちゃを、スープ感覚で食べられるかぼちゃ氷。また、冷房などによる冷えが気になるこの季節に酒粕と生姜で手軽に作った甘酒にインスタントコーヒーで香ばしさを加えた、グラニテなど。単なるスイーツとして、ではなく、きちんとこの季節に必要な栄養、足りない栄養をより食べやすく摂取するために、様々なレシピが続々と開発されています。
このように、「メシ化スイーツ」が増えてきている理由としては、企業などの人気や旬などの社会潮流に合わせた「スピーディな商品開発努力」に加え、私たち生活者が、夏に不足しがちな栄養素を無理なく、美味しく摂取したいという「貪欲な探究心」の掛け合わせにある気がします。スイーツがメシ化することで、太ってしまうかも、不健康になってしまうかも、などという負の気持ちも抑圧されるので、新しいスイーツの楽しみ方の一つとして、これからますます定着していくかもしれませんね。
このように「メシ化スイーツ」は、今後ますます広がっていくことが予想され、様々なビジネスチャンスがあると考えます。
こんな記事を書いていたら、甘いものが恋しくなってきました。今晩、家でなにか新しいメシ化スイーツを開発できないか、トライしてみようかと思います。みなさんも一緒に、メシ化スイーツを試してみてはいかがでしょうか。
2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。