女性の就業率が増加するなか、女性たちのライフステージごとに異なる健康課題についての注目が高まっています。株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)の、女性の健康課題視点で企業の事業やサービスの構想を支援する「博報堂 Woman Wellness Program」は、10月18日~24日の「メノポーズ週間」を機に、30-60代女性に対して「更年期に関する生活者意識調査」を実施しました。
第二弾は「付き合い方編」です。調査結果から、更年期を自覚していても「うまく付き合えている」と思っている女性は1割に満たないことが判明。更年期とうまく付き合えていると回答した女性たちの意識や行動、生活の工夫等に焦点を当て、更年期とうまく付き合っていくためのヒントを探りました。
*本リリースにおける「更年期自覚者」は、調査において「更年期による不調を自覚している」と回答した人を指します。生活者の意識を明らかにする調査のため、医学的な診断としての更年期症状・障害とは一部異なる可能性があることをご了承ください。
*更年期自覚者=更年期による不調について「自覚しており、医師の診断を受けた」もしくは「医師には言われていないがおそらくそうだと自覚している」回答者
*もしかして層=更年期による不調について「自覚していないが、もしかするとそうかもしれないと感じている」回答者
女性たちは、月経やPMS(月経前症候群)、不妊、妊娠・出産・産後の不調、更年期など年代やライフステージで特有の健康課題があり、普段の生活や仕事などの社会活動に影響を及ぼすことも少なくありません。博報堂 Woman Wellness Programでは、今後も女性の健康課題においてナレッジ提供や商品・サービス・事業開発のプラニングなどの協業ワークに取り組んでまいります。
【調査概要】
○調査名:「更年期に関する生活者意識調査」vol.2 付き合い方編
○実施期間:2023/08/24(木)~2023/08/25(金)
〇調査手法:インターネットリサーチ
〇調査地域:全国
○調査対象:スクリーニング調査:30-69歳女性 4,000名
本調査:30-69歳女性 600名 (更年期自覚者400名/もしかして層200名で割付)
分析の際、スクリーニング、本調査それぞれで以下のウェイトバックを実施。スクリーニング:年代10歳刻みの人口構成に合わせてウェイトバック集計を実施。本調査:スクリーニング調査で自然発生した各更年期自覚状況の出現率と、年代10歳刻みの人口構成に合わせてウェイトバック集計を実施。(グラフ中のサンプル数はWB前の数値)
○調査主体:博報堂Woman Wellness Program
〇調査実施機関:株式会社ディーアンドエム
更年期の不調を感じている女性(更年期自覚者+もしかして層*)のうち、「更年期とうまく付き合えている」と思っている人(以下、「更年期とうまく付き合えている層」)は9.4%と、1割以下にとどまる。
※更年期自覚者=更年期による不調について「自覚しており、医師の診断を受けた」もしくは「医師には言われていないがおそらくそうだと自覚している」回答者
※もしかして層=更年期による不調について「自覚していないが、もしかするとそうかもしれないと感じている」回答者
「更年期とうまく付き合えている層」では「更年期は一人で悩む時代ではないと思う(95.4%)」「女性の更年期は、閉経後の身体の変化/健康リスクの高まりへの準備を始める大切な期間だと思う(96.1%)」という意識が強く、 更年期を前向きに捉えている姿勢がうかがわれる。
「更年期とうまく付き合えている」人では、更年期自覚者全体と比較して以下の傾向が強い:
<周りに頼る>「配偶者・パートナーと家事や育児の分担を相談する(42.8%)」+14.5pt
<自分の身体をよく知る>「自分の身体のことをよく知る(66.1%)」+13.0pt
<自分の時間を楽しむ>「自分時間を持つ/楽しむ(74.0%)」+12.8pt
・「更年期とうまく付き合えている層」は、「更年期自覚者全体」と比較して、「自分の身体のことをよく知る(66.1%)」+13.0pt、「できない自分を責めないようにする(56.3%)」+12.2pt、「食生活を改善する(61.6%)」+12.1ptなどが高めとなっており、自身の心身のケアを大切にする傾向が強い。
・生活上の工夫では、「更年期とうまく付き合えている層」ほど「産業医などから助言やサポートを受ける(26.3%)」+14.6pt、「配偶者・パートナーと家事や育児の分担を相談する(42.8%)」+14.5ptなど周りに頼る姿勢がみられた。
・また「自分時間を持つ/楽しむ(74.0%)」+12.8ptなど、自身の心身に対するケアも高め。
<参考>更年期の対処法
更年期の対処法(更年期自覚者ベース)については、「漢方(14.3%)」「運動(14.1%)」「食品選び・食事(13.7%)」等が多少挙がってくるが「あてはまるものはない(46.1%)」が圧倒的に高い。
【クレアージュ東京 レディースドッククリニック 大島乃里子先生によるコメント】
更年期とは、閉経前後5年間に起こる女性ホルモンの急激な減少とともに起こる様々な不調を示すもので、その症状はホットフラッシュのみでなく、息切れ・動悸、不眠、うつなど症状は多岐にわたり、個人差も大きいことが分かっています。調査結果で示されていた通り、体調が思わしくないとき、食生活に気を付けたり、自分の時間を持ったりする等、日々の生活を整えることが大切です。医師による治療も大切ですが、家族や職場に頼れる環境を作られている方は、更年期をうまく乗り越えているように思います。それが広がるには、女性だけでなく家族、職場などの社会おける更年期の理解が進むことが重要です。
一般社団法人 日本女性医学学会: https://www.jmwh.jp/
協力:クレアージュ東京 レディースドッククリニック(https://www.creage.or.jp/)
クレアージュ東京 レディースドッククリニック婦人科 顧問
日本産科婦人科学会専門医
日本婦人科腫瘍学会専門医
【博報堂 Woman Wellness Programについて】
女性の健康課題に着目し、女性たち一人ひとりがワークライフバランスを保ち、長く心地よく働き、生きていくことができる社会を目指して、クライアント企業の事業・サービス支援を行うプログラム。博報堂ビジネス開発局、博報堂キャリジョ研プラス、博報堂シニアビジネスフォース 新しい大人文化研究所、博報堂ブランド・イノベーションデザイン局のメンバーを中心に、マーケティング・ブランディング、PR、ビジネス開発、クリエイティブなど、女性特有の健康課題に関する知識を持つ社員で編成。社外のコミュニティや有識者を巻き込んだマルチステークホルダー型で、事業・サービス開発支援、マーケティング支援などを行います。
「博報堂 Woman Wellness Program」に関するリリースはこちら
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/100867/
「更年期に関する生活者意識調査」vol.1自覚の実態編 はこちら
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/106300/