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日本・中国・アセアンの8か国調査 第2回「グローバル定点2024」結果発表

2024.06.07
#ASEAN#グローバル#リサーチ#中国#生活総研#生活者研究
8か国比較で最上位となった項目例は…
日本 「自分の将来イメージは暗い」 (40.0%)
中国 「家庭生活よりも仕事を第一に考える方だ」(39.5%)
タイ 「自由が欲しい」 (37.8%)

博報堂生活総合研究所は、博報堂生活綜研(上海)、博報堂生活総合研究所アセアンと協働し、日本・中国・アセアンの生活者のライフスタイルや行動を把握することを目的とした8か国調査として第2回「グローバル定点」を昨年に引き続き実施いたしました。(15~59歳の男女 11,000人を対象とするインターネット調査。調査概要はPDF版を参照ください)

本リリースでは、日本・中国・アセアン3拠点の研究員が8か国のなかで最上位/最下位となったデータを分析しご紹介します。各国の生活者の特徴を知る一助になれば幸いです。

<参考データ:各国における最上位(1位)の項目例>

【日本】自分の将来イメージは暗い
日本は40.0%で最上位でした。日本社会の将来に関する悲観的なキーワード(人口減少、超高齢化、少子化、社会的孤立など)を見聞きすることが多いからかもしれません。新型コロナウイルスが5類に移行し、コロナ禍前の暮らしを取り戻しつつあるとはいえ、相次ぐ物価高などの新たな生活課題が生まれていることも、日本の生活者に将来を悲観的にとらえさせるのではないでしょうか。なお、「自分がもらう年金に不安を感じる」でも日本は突出(2024年 44.9%・最上位)していました。

【中国】家庭生活よりも仕事を第一に考える方だ
中国は39.5%で最上位でした。現在の経済環境の下、仕事による安定した生活や収入の確保が重視されています。ネット声優(アマチュア声優がインターネットを中心に活動する)、犬の散歩代行などの新たな職業の出現や、副業に従事する人たちが増えていることも「仕事を第一に考える」という意識の高まりを反映しているのではないでしょうか。

【タイ】自由が欲しい
タイは37.8%で最上位でした。タイでは政治経済の不透明さに民意を示しても反映されづらいことから「期待してもしょうがない」といった諦めを生活者が抱えているようにみえます。そのため、自由に自分の意見を表明したい、お金の苦労から解放されたい、家族と楽しく暮らしたいといった欲求が「自由」を欲するスコアに反映されているのだと推察します。

【ベトナム】若者が主役の世の中だと思う
ベトナムは34.0%で最上位でした。高度成長期の渦中にいるベトナムでは、生活者みんなが「今日よりも明日の方が良くなる」と信じて前進し続けています。その原動力のひとつが「若い世代」です。自分のスキルを高め、たくさん稼ぎ、親孝行をし、国の成長の一翼となる…、そんな向上心の高い若者にベトナムでは多く出会います。「若さが欲しい」でもベトナムは最上位(2024年 18.0%)でしたが、「ベトナムの生活者が「若者」や「若さ」に関して関心が高いのは、このような状況を反映しているからだと考えられます。

【インドネシア】経済的に余裕がある方だ
インドネシアは84.6%で最上位でした。また、「幸せな方だ」(2024年 90.4%・最上位)も高く、幸福度や経済的余裕があると回答する生活者が8か国で最も多い結果となりました。生活が豊かだと感じるのは、信仰心や家族への愛情や絆の深さからくるものだと考えられます。

【フィリピン】円満な家族関係に満足している
フィリピンは63.5%で最上位でした。「愛が欲しい」(2024年 42.3%・最上位)の高さに代表されるように 「愛」を求める傾向が強いフィリピン。「休日はできるだけ家族と一緒に過ごしたいと思う」(2024年 62.9%・最上位)のスコアが他の国に比べて高いことからも、愛の中でも「家族愛」が強い傾向がみられます。

【マレーシア】お金は命の次に大事なものだと思う
マレーシアは32.0%で最上位でした。データからお金に非常にシビアな傾向が読み取れます。また、「子どもは親の老後の経済的な面倒を見る方がよいと思う」(2024年 43.5%・最上位)が高いなど社会保障の面で「家族に何かあったら自分の力で何とかしなければ」という危機意識も強いため、お金を稼ぐために必要な勉強やスキル面での向上意欲も高いことが、博報堂生活総合研究所アセアンの調査*でもわかっています。ですから、経済的なテーマに関する項目でマレーシアのスコアが高いのは納得です。
*ASEAN SEI-KATSU-SHA STUDIES 2023 “Emerging Affluent”の定量/定性調査からのファインディングス

【シンガポール】昔に比べて妻に対する夫の力は弱まったと思う
シンガポールは25.0%で最上位でした。また、「男女のつきあいで女性がリードするのもいいと思う」(2024年 37.0%・最上位)も高く、シンガポールは、アセアンの他の国と比べると男女が対等に渡りあっています。シンガポールでは、熾烈な競争社会のなか、男女関係なく必死に学び働き、勝ち続ける必要があるのです。そのため、夫婦や恋人との関係において、女性の力が相対的に強くなっているように生活者が感じるのもうなずけます。

■調査概要
調査地域:日本(首都圏・阪神圏)​、中国(北京・上海・広州)​、アセアン(タイ・ベトナム・インドネシア・フィリピン・マレーシア・シンガポール)​
調査人数:11,000人(11エリア×各エリア1,000人)​
調査対象:15歳~59歳の男女​
調査期間:2024年1月15日~31日 2023年1月10日~31日(参考値)
調査方法:インターネット調査​
設計・分析:博報堂生活総合研究所​
実施・集計:株式会社 H.M.マーケティングリサーチ Macromill China Insight, Inc.
※中国は2023年と2024年で調査会社とパネルが異なるため、2023年データは参考値であることにご留意ください。
調査協力:博報堂生活綜研(上海)、博報堂生活総合研究所アセアン

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