12月の消費意欲指数は、今年の最高値。ただし、例年の水準にまでは至らず。
株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。
12月の消費意欲指数は54.9点。前月比は+6.1pt、前年比は+1.8ptと、いずれも上昇しました。
Point 1: 12月の消費意欲指数は例年と同様、今年の最高値に。
クリスマスや年末年始を控える12月は、1年で最も消費意欲指数が高まる月です。今年も前月から+6.1pt上昇し、今年の最高値54.9点となりました。特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合(38.6%)も前月比+11.3ptで、こちらも今年の最高値となっています。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、消費にポジティブな回答(20年11月338件→20年12月553件)(以下、西暦略)が前月から大きく増加。 特に、「クリスマス、年末年始の買い物をしたい」、「冬物衣料がほしい」など、その時期や季節ならではの意見(11月93件→12月299件)や「欲しいもの/出費の予定がある」(11月58件→12月79件)の増加が目立ちます。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスの内訳をみても、「食品」、「ファッション」、「外食」をはじめとして、16カテゴリー中11カテゴリーで前月から20件以上増加しており、今年も12月らしい消費意向の高まりがみられます。
Point 2: 指数は増税後の前年を上回るも、それ以前の水準(56点台)は下回る。
一方、消費意欲指数(54.9点)を前年以前と比べると、消費税増税の影響があった2019年12月(53.1点)を+1.8pt上回ってはいますが、2016年~18年の水準(56点台)までには至っていません。前述の「クリスマス、年末年始の買い物をしたい」、「冬物衣料がほしい」など、その時期や季節ならではの消費意欲も2018年の水準には届きません(18年12月378件→19年12月317件→20年12月299件)。
また、コロナ禍に関連する消費にネガティブな回答は前月から減少していますが(11月178件→12月149件)、まだ一定数存在しています。その影響もあってか、「ボーナスがが出るので買いたいものがある」とした人は(19年12月84件→20年12月57件)が前年から減少し、「金銭的な理由で節約・我慢」(19年12月193件→20年12月230件)が増加しています。
12月ならではの消費意欲が盛り上がる月にはなりそうですが、コロナ禍による不安や経済要因が影を落とす面もあり、予断を許さない状況が続きそうです。