株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。※10月1-4日に調査
2021年11月の消費意欲指数は47.9点。前月比+1.8ptでやや増加し、前年比は-0.9ptの微減となりました。
例年11月は、年末年始を控えて消費意欲指数の変動が少ない月ですが、今年は前月比+1.8ptとやや増加しました。また、
前年比も-0.9ptの微減にとどまり、コロナ禍の反動で指数が過去5年の最高値となった前年11月に近い水準となっています。
コロナ禍に関連した回答をみると、消費にポジティブな回答は前月から3倍近くに増加(10月32件→11月90件)、ネガティブな回答は大幅に減少(10月211件→11月118件)し、コロナ禍が本格化した昨年4月以降、初めて両者の差が大きく縮まりました。具体的には、消費にポジティブな回答で「緊急事態宣言が明けたので(10月0件→11月44件) 」が多くあがったり、消費にネガティブな回答では「コロナ禍で外出、買物できない・自粛(10月94件→11月38件)」「(コロナなど)病気が怖いので出かけたくない(10月68件→11月43件)」などが減っています。緊急事態宣言が明けたことや、コロナ禍の不安が減ってきたことで、消費への消極的な意識がやわらいでいるようです。
ただし、指数が大きくは上昇していないのは、「年末に向けて節約(10月8件→11月36件)」といった節約意識の影響も考えられます。
また、消費意欲指数を男女別にみると、前月比で男性は+3.6pt、女性±0.0ptと、男性は2ヵ月続いた減少傾向に歯止めがかかって大きく上昇し、女性は10月に高まった消費意欲指数を維持しています。
また、「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は26.9%で、前月比-0.9pt、前年比-0.4ptとともに微減していますが、前月比を男女別にみると、男性+1.2pt、女性-3.0ptで、消費意欲指数同様、男性が増加しています。さらにカテゴリー別の消費意向は、前月と比べて「旅行」が20件以上増えており、これは男性における増加が主(前月比+38件)で、11月は男性の消費意欲の高まりが期待できそうです。