株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。※2月1-4日に調査
3月の消費意欲指数は47.1点。前月比は+4.2ptの上昇、前年比では+0.6ptの微増となりました。
例年3月は、新生活や新年度に向けて消費意欲が高まる月です。今年も前月から+4.2ptと上昇し、前年比では+0.6ptの微増で、過去5年の3月で最も高い指数です。今年に入り3か月連続で過去5年間の同月最高値が続いています。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答は増加し(2月248件→3月339件)、ネガティブな回答は減少しました(2月988件→3月901件)。具体的には、ポジティブな回答では「(新生活・新年度の準備/春物の服が欲しいなど)季節的な出費や意欲向上(2月248件→3月339件)」が大きく増加しています。一方、ネガティブな回答では、「コロナ禍で外出・買物できない(2月27件→3月65件)」「物価高・値上がり(2月5件→3月49件)」が前月から増えるも、「今までに多く使った反動でセーブ(2月150件→3月47件)」は大きく減少しています。また、消費意欲指数を男女別にみると、前月比で男性+6.3pt、女性+1.9ptと差があり、女性の方がコロナ禍に関するネガティブな回答が増えたことが影響しているようです。
一方、前年と比べると、消費にポジティブな回答はほぼ同数で(21年3月330件→22年3月339件)、ネガティブな回答はコロナ禍に関する回答を中心に減少しました(21年3月948件→22年3月901件)。具体的には、「コロナ禍で外出・買物できない(21年3月119件→22年3月65件)」が大きく減り、「(収入・ボーナス減など)金銭的理由で節約・我慢(21年3月238件→22年3月203件)」「将来不安(21年3月72件→22年3月49件)」も減っています。新型コロナの感染が急拡大するなか、消費意欲への影響は、緊急事態宣言下にあった前年ほどではなく、物価上昇のマイナス要因もありますが、新生活・新年度に向けて、季節的な消費意欲は健在のようです。
「特に買いたいモノ・利用したいカテゴリーがある」人は27.3%で、前月比+4.8ptの上昇、前年比は-0.8ptの微減となっています。カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では、「ファッション」「レジャー」「書籍・エンタメ」をはじめとして、16カテゴリー中7カテゴリーで20件以上増加しています。一方、前年比で20件以上増えているのは、「レジャー」のみとなっており、ソト向きを中心とした様々なカテゴリーで消費意向が高まっていることがうかがえます。
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